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2011.12.05 *Mon*

二十六 以降

: 未分類 :
二十六以降は現在推敲中です。
初稿でよければ下記の方法でご連絡ください。



<方法>
1.ブログ中央のMixiバッジからメッセージを送る。
 (http://mixi.jp/show_profile.pl?id=3678535&from=navi)

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2011.12.03 *Sat*

二十五 以外な結末

: 未分類 :
二十五
 
 ある晩、私は淳子に呼び出された。淳子はついに一大決心をしたという。関帝廟に行くと、淳子と旦那が落ち着かない様子で座っていた。手短に挨拶を済ませ、席に座ると、淳子が話し始めた。
「もう、賃貸か建売か迷うのはやめたの」という。淳子の旦那が私に、家を設計して欲しいと頼んできた。私は大方、賃貸住宅を借りるだろうと予想していただけに驚いた。

 予想外の出来事だった。飛び跳ねるくらい嬉しかったのだが、私は会社員だし、仕事と両立できるか心配だった。依頼はもちろん引き受けるつもりだったが、仕事量をどうセーブするか解決策が見出せなかった。結局どうするかは考えさせてもらった。

九月一日―最近、週末私は緒子と一緒に家族風呂に入る。私の部屋にはシャワーしかないので、一緒に入れるのはこの時だけだ。緒子はコップが好きで…お風呂場ではお湯を汲んで遊んでいる。

2011.12.03 *Sat*

二十四 緒子の熱

: 未分類 :
二十四

 梅雨が明け、日射しの強い季節になってきた。朝型の生活にしてから私は毎日六時に起きている。朝食はピラミを有効活用し作ってもらっている。今日も着替えを済ませ関帝廟に朝食を受け取り自室で緒子と一緒に食べている。リビングで緒子と朝食をとりながら、私は外の景色を眺めた。初夏を伝える朝のさわやかな日射しがリビングにまで届いている。睡眠時間が短くなったもののこうして毎日落ち着いた食事ができ、緒子と短い時間でも遊んであげれることに私は満足していた。ところが人間というのは欲深いもので現状に慣れると、次々とまた不満が噴出してくる。今度は働いている間の緒子の様子が気になり始めた。

 どうしようもないことなのだけれど、毎晩緒子の寝顔だけを見るのがやはり寂しい。ピラミ住民は皆働いていて、帰宅もそれなりに遅かったが、その中でも私の帰宅時間は飛び抜けて遅かった。亜子の部屋のカーテンは一年中閉まらないというのはピラミでは有名な話だった。一昔前なら、子供と親が一緒にいる事こそ子供に取って一番大切なこと。早く帰ってきなさいと怒られそうだが、ピラミには強力なヘルパーさん達がいるので一概にそうとも言えないだろう。多かれ少なかれ皆同じ境遇なのだ、そういう避難をする住民はいなかった。皆私の体調を心配をしてくれた。私は半分趣味みたいなものだから心配しないでと笑った。宅ちゃんも私の悩みを理解していたので夜、私が緒子を見ていると気にして声をかけてくれた。

 ある夜宅ちゃんは私に緒子の部屋にカメラを付けてはどうかと提案してくれた。最初は監視してる気がして躊躇していたのが最終的に私はお願いした。いつの間にか私は親バカになっていたようで、少し恥ずかしくなった。電化製品だったこともあり、家電オタクの宅ちゃんの動きは迅速だった。あっという間にカメラの設置を済ませ、日曜日に関帝廟で開通式をした。宅ちゃんが私のスマートフォンで設定すると緒子の顔が画面に映った。淳子や住民の皆もやってきて一緒になスマートフォンを眺めた。そんなことを知らない、緒子はすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。

 翌日から私はお昼休みに必ず、スマートフォンで緒子を眺めた。このスマートフォンから子供を見るアイデアはすぐさまピラミでも人気になり、瞬く間に普及した。救いようのない親バカ達である。そのうちクワイヤにもモニタが付き、各室の子供達が見えるようになり、ヘルパーのさんたちにも好評だっだ。

 ある日、鳩おばさんから緒子が熱を出しているとのメールが届いた。この頃緒子はよく熱を出す。安静にさせるとの内容だった。いつもなら心配で仕方ないのだが、スマートフォンで緒子を見るとなぜか少し安心した。確かに辛そうにしている。できれば本当は看病してあげたいのだが、仕事もまだ片付いていない。こう言う時が一番心苦しい。泣く泣く私はヘルパーさんに緒子の面倒をお願いした。

 ピラミに帰宅した私は、急いで宅ちゃんに緒子の様子を聞いた。幸い熱も下がったようで、私は安心すると話がついつい愚痴に変わってしまった。今日もそうだったが、私の悩みを理解してくれる人はピラミの外にはほとんどいない。ピラミのような育児方針を真っ向から否定する人達も少なくない。だからピラミの誰かに聞いてほしかったのだろう。

 振り返ると、ピラミに来た当初、ヘルパーさんに愚痴ってるお母さんたちを何人も見かけたのを思い出す。今度は私の番というわけだ。

「あなたにはあなたの人生がある。それは大切にしなさい。子供と一緒にいることが、必ずしも幸せとは限らないわ。私たちのしている事は、一見子供の保育をしているように見えるけれども、それは表面的なものよ。私たちのはあなたが外で活躍出来るようにするのが仕事なの。これは世間に対する私たちの小さな抵抗ね」といった。ヘルパーさんはいつも私の見方になってくれる。お母さんになっても、誰かに甘えたい時もある。どんなに強い人間でも一人では生きていけないと思った。


2011.12.03 *Sat*

二十三 葛藤

: 未分類 :
二十三

 梅雨が明ける頃には、帰宅が連日深夜になった。今日も零時を過ぎている。緒子は自分の部屋でもう眠っていた。九太郎はまだ帰ってこない。私はお昼にお願いしていた夜食を関帝廟に取りに行った。電子レンジで温めるあいだ、わたしは連絡ノートを眺めた。鳩おばさんと、予言おばさんがその日の緒子の様子を書いてくれた。ヘルパーさん達には本当に感謝している。彼女達なしでは職場には永遠に復帰できなかっただろうと、最近身に染みて感じる。薄暗い部屋からガラス越しに眠る緒子を見つめ、私は夜食をスプーンで口に運んだ。一瞬、緒子の部屋越しに宅ちゃんの気配を感じた。耳を澄ますと微かだがカートを押す音が聞こえる。私は緒子の部屋をそっと抜けてクワイヤに向かった。そこから見渡せば宅ちゃんがどこにいるかは一目瞭然だ。深夜にクワイヤに行くのは初めてだった。薄暗いクワイヤから辺りを見渡すと九割近くの乳児室のカーテンが閉まっていた。残りの一割はきっと夜勤の人達だろう。暫く見回したが宅ちゃんはいなかった。

 ピラミには夜のサインがある。ピラミ住民の多くは、眠るときにベビーベッドを寝室に運んで一緒に眠る。そういう人達は乳児室にあるクワイヤ側のカーテンを閉める。奥の自室側のカーテンを閉めている場合は宅ちゃんに子供をお願いしているのだ。

 遠くで微かに洗濯機の回る音が聞こえた。宅ちゃんは洗濯室にいたようだ。私に気付いたのかこっちにやってきた。私は宅ちゃんに軽く会釈した。宅ちゃんは私に、「あなた帰りがいつも遅いのね。朝方にしたら?」と提案した。

 些か突然だったので、話の趣旨が理解できずににいると、宅ちゃんは続けて、
「夜、帰るのが遅くなって緒子と時間が作れないなら、朝、早起きして育児したらどうかしら」といった。私はやっと理解した。

「無理にとは言わないけど、あなたがそうしたいなら、緒子皆より、早めにに寝かせてあげるわ、そのぶん早く起きて朝食も一緒に食べれるでしょ。みんなより出社が遅いんだからできるんじゃないかな」と宅ちゃんは私を気遣ってくれた。私は胸の底から込み上げてくるものがあり、喋れずにいると「あなたのサポートが私達の生き甲斐であり仕事なの、もっと頼っていいのよ」と優しく声をかけてくれた。私の目には涙が溢れてきた。

 私はできる限り育児をして、足りない部分はヘルパーさんに助けてもらおう。世間には母親失格だという人達もいるだろう。だけどこれが私の生き方だ。そう心に留めた。

2011.12.03 *Sat*

第四章 再会 二十二 再会

: 未分類 :
二十二

  ピラミの住民は子供が三才になる年に引っ越していく。初めから期間限定だから付き合い方も明快だ。去る者がいれば来る者もいる。そのせいもありピラミの人間関係はどこかサバサバしている。私にはこの人間関係があっていた。

 ピラミの良いところは同じ境遇の人達が近くに沢山いることだ。多かれ少なかれ私達は共通の悩みを背負い、世間ではマイノリティだと思われている。正直なところ、これから先の人生に自信なんかない。世間が心配しているように、私たちも毎日が不安だ。みんなに相談を持ちかけられ、私も相談に乗っている。

 ピラミは子供の育児を助けてくれる建物だと入居当初は思っていた。けれど、同時に母親になる訓練、家族のあり方を考える場所でもあることを、このごろ私は気付き始めた。

「あなたの人生ははあなたが決めるのよ。私はそれを全力で応援するわ。今もそしてこれからも一緒に頑張りましょう」と私を励ましてくれた。


まずはここから



<あらすじ>
 二千XX年、少子化の波が押し寄せる中、有効な手だてを講じなかった日本は、高齢社会に続き、ついに超少子社会にも突入した。
 慌てた政府は出産補助を手厚く支援したものの、少子化は一向に改善されず、ますます晩婚化、独身化の一途をたどることとなる。
 一方、保育園や幼稚園は、数十年前に政府が急ピッチで整備した建設ラッシュが祟り飽和状態となっていた。各地で園児獲得のための激しい潰し合いが繰り広げられる中、追い打ちを掛けるように晩婚化、独身化が進行し、都心部にも関わらず遠方まで送迎せざるを得ない状況が発生していた。
 この物語は、そんな時代に生きる一人の女性と、それを取り巻く一風変わった住まいの物語である。

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